事 務 連 絡 平成29年6月23日 都道府県衛生主管部(局)御中
厚生労働省健康局がん・疾病対策課
ヒアリに刺された場合の留意事項について
平成29年5月に兵庫県尼崎市で、同6月に神戸市で発見されましたヒアリに ついて、ヒアリに刺された場合の医療的留意事項について連絡いたします。
ヒアリは、南米原産で体長は2.5~6mm程度、体色は主に赤茶色の有毒のア リです。世界では北米や中国、フィリピン、台湾等にも外来生物として侵入・ 定着しており、世界各地で大きな問題となっています。
ヒアリは、極めて攻撃性が強いとされており、刺された際には、アルカロイ ド毒により、熱感を伴う非常に激しい痛みを覚え、水疱状に腫れ、その後、膿 が出ます。
さらに毒に含まれる成分に対してアレルギー反応を引き起こす例があり、局 所的、または全身にかゆみを伴う発疹(じんましん)が出現する場合がありま す。欧米においては、アナフィラキシー症例も報告されています。
ヒアリの毒には、アルカロイド毒であるゾレノプシン(2-メチル-6-アルキル ビペリディン)のほか、ハチ毒との共通成分であるホスホリパーゼやヒアルロ ニダーゼなどが含まれています。そのため、ヒアリに刺された経験が無くても ハチ毒アレルギーを持つ方は特に注意が必要です。
ヒアリに刺された方がアナフィラキシー症状を引き起こした場合、アドレナ リンを注射するなどの適切な救急処置をとる必要があります。
貴部(局)におかれましては、本事務連絡の趣旨を御了知いただくとともに、 貴管下の関係医療機関宛てに周知いただきますようお願いいたします。
なお、咬まれた時の対処方法を含め、ヒアリの特徴、生態、駆除方法等の参 考として、平成21年に環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室から発行さ れた、『ストップ・ザ・ヒアリ』もご参照ください。
https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/r_fireant.pdf
以上
照会先 厚生労働省健康局がん・疾病対策課 貝沼(内線2291) 魚谷(内線2975)
(代表番号)03-5253-1111